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洞窟ホームレス株式会社VSFXマルチ商法詐欺

洞窟ホームレス株式会社VSFXマルチ商法詐欺

文章のみの4クルー目の9

お金の色)
強制捜査の数ヶ月前、5月、「アルファ」のことがネットなどで悪い評判となり、林太郎さんはモトさんと、お金を間島社長にいったん返却したほうがいいのではと相談してそれを実行した。

林太郎さんとモトさんは、遠藤、そのあとに仕事を請けてくれた会社と話し合って、支払ってもらったお金を全額間島社長に一旦返金して預けることにした。他の間島の会社に関わった会社からの協力は得られたものの、遠藤は「ない。使ったものはしかたない」の調子でお金は返さなかった。結果、調達できなかった分は、モトさんと林太郎さんがかぶった。(結果からすれば、遠藤だけが儲けたようなものだ)。

林太郎さんの貯金はそれに当てられ底をついた。

間島社長は返金を受けた時も、「大丈夫ですから」「ぜんぜん問題ない」と言ったが、だんだん「アルファ」本体からのオカネが流れてこなくなってきたこともあり、5月の段階ではもう、返金は拒まない状況にあった。
「シロ」だと明確になれば、早急におカネは戻すということだったが、そのままになり、結局、間島に関わった会社のうちのひとつマイナスイオンの会社は資金繰りから倒産状態になった。マイナスイオンの会社の会社のことは後で話す。

この返金のことは、洞窟株式会社では、モトさんと林太郎さんだけが知っていた。今更、みんなの活動のもとがマイナスになったことを話せなかった。他のみんなが、このことを知ったら洞窟株式会社自体が「終わってしまう」ことが見えていた。

それでも、そのことは「いいときも、わるいときも、経営者はポーカーフェイス」と言いながら、林太郎さんはみんなにこれをだまったいた。

3ケ月後
林太郎さん「お金返しておいてよかったよ」
モトさん「でも、お金かかっているのに?」
林太郎さん「前に、夏目漱石の文章で読んだことがある」
モトさん「どんな?」
林太郎さん「お金に色がついている話。色は忘 れたけど、いいお金は白くて、悪いお金は青みたいに色がついているって話。つまり、『アルファ』なんかで稼いだ金は青」
モトさん「実際、どうなの今の日本で本当に青いお金ってあるの?」
林太郎さん 「それは、あるでしょ」
モトさん 「ただ、汚いのが見えていないだけか…」
林太郎さん 「前にさ、薬害エイズミドリ十字事件ってあったでしょ」
モトさん「非加熱クリスマシン!」
林太郎さん「そ。でも、あの事件でミドリ十字でそれとは知らずに一生懸命働いていた人もいる」

モトさん「厚生省も」
林太郎さん「そうね、労働厚生省だけど、今は」
モトさん 「不作為」
林太郎さん 「そう、そして今は三菱ウエルファーマ」
モトさん 「三菱ウエルファーマ?」
林太郎さん「名前が変わってんだよ。厚生省生物製剤課だけが悪いとも言えない。そこは当然悪いんだけど」
モトさん 「責任の所在が散っててわからない」
林太郎さん 「誰も責任はとらないよね」
モトさん「安部 英は無罪なんでしょ」
林太郎さん「731部隊の人体実験結果だって、アメリカの細菌兵器計画に引き継がれたらしいよね」
奥で、かたずけものをしていたタカハシさんが顔を出した。
タカハシさん「公務員は異動後は、通常、前職での責任は問われない。かくして『事なかれ主義』の上に、『無責任』。舛添要一が「洗いざらい調べる」と言ってたけど、『反省すべきも責任はなし』。薬害エイズで問題になった『行政の不作為』は問われない」
タカハシさんが自分の荷物から本を持ってきて読んだ。
「ちょっといいですか」
---以下本より---
「どうしても好いが、――例たとえば金を五色ごしきに分けて、赤い金、青い金、白い金などとしても好かろう」
「そうして、どうするんだ」
「どうするって。赤い金は赤い区域内だけで通用するようにする。白い金は白い区域内だけで使う事にする。もし領分外へ出ると、瓦かわらの破片かけら同様まるで幅が利きかないようにして、融通の制限をつけるのさ」
「金はある部分から見ると、労力の記号だろう。ところがその労力がけっして同種類のものじゃないから、同じ金で代表さして、彼是ひし相通ずると、大変な間違になる。
例えば僕がここで一万噸トンの石炭を掘ったとするぜ。その労力は器械的の労力に過ぎないんだから、これを金に代えたにしたところが、その金は同種類の器械的の労力と交換する資格があるだけじゃないか。

しかるに一度この器械的の労力が金に変形するや否や、急に大自在の神通力を得て、道徳的の労力とどんどん引き換えになる。そうして、勝手次第に精神界が攪乱されてしまう。不都合極きわまる魔物じゃないか。だから色分けにして、少しその分を知らしめなくっちゃいかんよ」
---以上本より---


林太郎さん「そういう原文でしたか?どの色がいい悪いっては書いてないんですね」
タカハシさん「永日小品」

そのあとに、林太郎さんにリョウさんが「うちお金ないのすか?」と言った。


返金の領収はもらったが、間島の会社も7月捜査を受けて後、8月に税務署が来たときには、モトさんは「返金ということは税務署はたぶん通さないから、もらっている状況のままで申告書をあげたほうがいい」と言った。
「現実は違うよね」と林太郎さんはモトさんに言ったが、税務署の論理は一般常識じゃないから、といい、実際に1000万円払った仕事も、半額の500万円を計上しますね、ということで現実ではない申告書があげられ、それでモトさんの話では、税務署は「これでオワリ」ということになったらしい。

コハル、アツシ、洞窟)
コハル「アツシさん。アツシさんさー。わかってんの?笑ってればね、どんどん幸せになっていくんだよ。おぼえときなよっ!」
アツシ「ふ、、、っていうか、笑ってないじゃない」
こはる「そういうところ、直した方がいいよ。あたしは、ちゃんと、あんたに向かって話しているのに、なんでそこで笑うのかなぁ」
コハルは泣きながら言った

リョウさんのメール)
「リョウさんが小出さんを怒らしたのってどんなんだったの?」
「メールあっから、見せっから」 何通か、携帯メールを転送してきた。
「長い…」

●ショウタさんが「エコデリ」をやめるのには、当初小出さんからは通告から1ケ月後と言われていたのに、急に、5月末頃に「ショウタさんを辞めさせた」と小出さんから言われたこと。●6月より小出さんの指示によってショウタさんが動いていたこと。●給与以上の働きをさせますよ」と小出さんが言い、打ち合わせる前の予算だったはずの25万円がそのまま給与と決まってしまったこと。●日々の日報の提出は6月初旬にショウタさんにお願いしたがなされなかったこと。●あやや系の求人はあてにならない、あやや自身がプッシャーで、問題があるということで切るようにということで、求人の予定がつかなくなったこと。●第一回活動ということで、「スカウトが0ということはない」「自信はある」「自分はついている」「イロコイでのスカウトは24時働かさせられる」と宣言をしてスカウトを優先する姿勢を小出さんが見せたこと。●結果、見込みは2人と後日報告を受けたが、スカウトによるものではなかったこと●スカウトのほうが結果的にオーナ側もだれも実績を残せなかったこと。しかし、オーナー側がやる気がないからだと責められたこと。結局、再度2回目のスカウト活動費ということで10万円を出したこと。●オーナー側のスカウトは警察に追われ、出禁の店やデリヘルをつくったことと、やはり時間のかかる案件の女性しかつかめなったこと。●実際、小出さんのショウタさんへの指示は、スカウトよりも小出さんの店の「プラチナ」の手伝いをしていることだったこと。●スカウトがうまくいかないまま、このまま行っても、活動費は途中で枯渇し、ショウタさんにだけノウハウが蓄積され、「プラチナ」にスカウト案件の女性も行ってしまって終わることが見えたこと。
----こんな現状ではないでしょうか?

活動費が途中で枯渇してショウタさんにノウハウが蓄積してもお金は消えるだけです。
今必要なのは、採用をどうするかをなににしても優先すべきであり、キャッチでもなんでもすべきで、送迎をしている時期ではないと思います。
系列といっても、4つタイプがあります。前にお話したようなキャバデリのような、採用の入り口を有効活用し、ひとの貸し借りもおこない、グループとして広報するもの。アムールグループのような、300人在籍を歌い、似たようなテイストの店を展開し大手というイメージで広報し、ひとの貸し借りもおこなうもの。「可憐.エンジェル.新入生AKB」のような、客には系列だとさとらせずに広報を行い、ひとの貸し借りを行うもの。また、「宝石箱、NANA」のような、別な店でありながらひとの貸し借りを積極的に行うというものです。この前者2つは大手でないとおこなえず、だからこそ、資本が小さい場合は後者2つを研究しないといけません。ですから、他の「タイプ(キャバ、格安、高品質、素人、巨乳(ぽっちゃり)、人妻、熟女、など)の店がどのように営業しているかを知ることは重要だと思います。ただ、「系列」をうたっても、同じタイプのものを(アムールグループのように)行っても、お客を食い合ったり、また女性の品質の維持を同じようにするにはかなり神経を使うと思いますが。
女性が店を移るには それなりの保証が必要です。
それは、安定店であるか、給与保証がされているかです。さまざまな事情を抱えている人が多いこととと、すでに毎日の現金に慣らされている女性をスカウティングしても、店に客が来なければ、極端な話その日に飛びます。現金が欲しいひとたちだからです。ですから、スカウティングしただけでは、女性が居つきません。最初話のあった、小出さんの2号店的な流れはないのでしょうか?
女性の入り(スカウト)、定着と品質向上(ムチと飴、教育)、客の入り(広告)、定着(女性の品質向上)、の
また、広告費の予算がスカウト代にこのあいだまわされ、現状で広告費は情けない状態にあります。これでは、スカウティングできても、こんどは客が来ないということになるのではと思います。
以前、小出さんが自店をOPENするときにイロコイの女性を使い、それが30時間ぶっ
つづけで働けた、そういう女性を小出さんはスカウトできるとか、毎日出勤させることができるという話が
ありましたが、先日ショウタさんからの話ではそのような女性を育てるには「時間がかかる」
とのことでした。
というと、実質現在のスタッフは0ではないかということです。このまま、私たちの未熟なスカウティングでショウタさん小出さんにご迷惑をかけつづけていいのだろうか?と考えるときがあります。とにかく、月末まではマックスでがんばってみましょう。

デリヘル計画のオワリ)
プラザに最初にショウタが来た。
ショウタ「やばいですよ。あのひと(小出)ふつうのひとじゃないんすから」
ヌマさん「おこってるの?」
ショウタ「まじ、こわいですよ」
しばらくして小出が来た。
ヌマさんとリョウさんは立ち上がって礼をした。
小出「なんすか?あのメールなんすか?」
リョウさん「いや、小出さんさわ、送ってねーべや」
小出「いや、ショウタくんに送ってんでしょ。なんすか?っけんか売ってんすか?」
ヌマさん「いや、けんかとかって」
小出「なんすか、こっちから電話すれば出ないし」
リョウさん「いや、仕事中だったからや」
小出「なんすか、電話かけられないんすか?女の子が本番されたら、どこに連絡すればいいんすか?こっちで対応できないっすよ」
ヌマさん「…」
小出「そういうところからじゃないんすか?そんなこともできないで、デリ成功するわけないっすよ」
リョウさん「…」
小出「女の子も集められないで、なんすか、あややとかいうプッシャーとか切ったのはオレのせいみたいなことですよね。あんなプッシャーいれてやっていけると思ってんすか?なんかあったら、しゃれになんないすよ」
ヌマさん「…」
小出「こっちは、寝ないでがんばってんすよ。スカウトもやってんですよ。な、ショウタくん」
ショウタ「そうすね」
ヌマさん「…」
小出「それなのに、なんすか?そっちはみんなひとまかせじゃないですか?」
ヌマさん「…」
小出「ショウタくんにうちを手伝わせているのだって、ヌマさんラブホどこかわかっているんすか?明日からすぐ女の子は配達できるんすか?」
ヌマさん「それは、はじめからショウタくんを店長にするという話で…」
小出「だから!みんなひとまかせなんすか?」
ヌマさん「…」
小出「これ、むりっす。やっても、赤かぶるだけっす。」
ヌマさん「…」
小出「やめましょう。これだけですんだってことで、それでいいんじゃないすか?もう成功しないっすよ」
ヌマさん「…」
小出「ショウタくんの3ケ月分は払ってくださいね。75万」
ヌマさん「…で、でも、お金もうないですよ。活動費とかって」
小出「なんすか?オレらがスカウトしなけりゃあつまんないじゃないですか?」
ヌマさん「…」
小出「なんすか?」
(沈黙)
ヌマさん「…」
小出「ショウタくん。ショウタくんさ、ムリだわ。今月分だけでいい?」
ショウタ「はいぃ」
小出「じゃあ、25万で」
ヌマさん「…(え、小出さんに払ったコンサルタント料の50万円は返らないのか?)」
小出「じゃあ、それで」

後日ショウタだけのとき、ヌマさんに言った。
「いや、あれは小出さん悪いっすよ。身内、はめるんすから。あのひとやばいっすよ。だって、送迎とかやっているときに、どうせヌマさんたち女の子集められないんだろ、って言ってましたから。結局、小出さんの『プラチナ』に女の子もってくだけですから。かえってあれですんでよかったですよ」


7月の強制捜査)
7月の「アルファ」への強制捜査は、その前日モトさんからのメールでわかった。
「今週、間島社長の会社の強制捜査だそうです」
前日に情報が流れていいのだろうか?と思ったが、そのメールの翌日朝、テレビに間島社長の会社もテレビに映った。
「巨額FX詐欺アルファに捜索」--投資関連会社「アルファ」が無登録で外国為替証拠金取引(FX取引)を行い、高配当をうたって総額100億円超の巨額資金を集めていたとされるアルファに捜索?
テレビには花田の姿が映された。テレビの横には「『金が自然に入る』100億円集め社長不明」とあった。
「もと従業員はアルファの会員の集め方に対して『まるでねずみ講のようだった』」
「『電子マネー化すると法律外や』と言ってました」と、報道されていた。
間島社長の会社も強制捜査の対象となった。

花田>
林太郎さんが花田と逢ったのは4回だ。1回目は大坂の婦人会館の研修会の会場の控え室だった。モトさんをみつけるなり、「どうもおしさしぶりですー」と言ったが、のちにネットで「おカマの花田」と書き込みがあるように、オァマっぽい感じだった。顔も化粧しているようにきれいな顔だった。その日、京都のオーナーズホテルでまた逢い食事を他の幹部とするが、そのときは、立派なVIPルームを背景にしていたせいもあるのか、やけに気障なものごしに林太郎さんには見えた。
2回目は、札幌で会計の打ち合わせに前任のT氏と間島社長とモトさんとで逢ったあとに、クノッソスに挨拶に行ったときだ。クノッソスは、後に「南」という幹部が酷評しているがムダに豪華な施設だが、結局、打ち合わせに2回行っている。クノッソスの、もとのカフェバーのままであろう施設を花田が独りで使っているというか、まれに幹部を呼んでなにかをするのかもしれないが、札幌という土地がもともと施設にゆったりと空間をとるせいもあって、仙台から行った林太郎さんは雰囲気にのまれてしまったところだ。そのクノッソスの、もとのカフェバーのままであろう施設に現れた花田は、黒いシャツで、絹かなにか高級な生地でできた服を着ていて、さらに胸をはだけていた。その姿は、口調はかわらいのだけど、なにか男っぽい感じのホストっぽい雰囲気だった。その日は当日にモトさんと林太郎さんは帰るつもりだったが、花田がここに泊まって行けばいいといって、25メートルの長さのあるムダに広いウォーターベッドの部屋に林太郎さんは泊まることになった。(モトさんは、3つベッドのある部屋)
3回目は、幹部に近い「夕張」という中国ビジネスに詳しいというひとが、提案をしたいというのでそれが税法上どうなのかということの立会いとして呼ばれたが、クノッソスの5階のVIPルームというか、幹部だけの会議室のようなところに現れた花田は、お昼の12時ころにもかかわらず白いタオル地のガウンを着て現れ、「30分で着替えるから」といって消え、背広で出直してきた。4回目は●●に建てた老人福祉施設が税務署によってさしおさえられたときで、花田は背広であわただしく出てきた。そのときは税務署の担当者2名とともにその件の話を聞く立会いにきたが、モトさんも林太郎さんも部外者ということなので話に立ち会うことができず、結局前任のTさんの会社に挨拶に行って仙台に戻った。
「なぜこのひとが200億近いお金を集める力があるのか?林太郎さんはさっぱりわからなかった。




事件の概要)
林太郎さん「花田は、アルファを始めるまえにはなにをやってたの?」
モトさん「同じく、マルチでしょ。その前に『ライフ』っていう生活用品、米とか、そういうのを商材にしたマルチをしてたんですよ」
この「アルファ」の事件はその前のマルチ商法「ライフ」というものから始まっていた。
アルファの社長花田は、「ライフ」時代は話術が巧みなため、スピーカー(講師)として役目を果たし、営業本部長という肩書きをもっていた。
花田は「ライフ」時代に間島社長と知り合い、「ライフ」の関連会社として間島の会社を立ち上げる。

花田は海外FXをやっている長瀬という男と知り合う。長瀬は外国人で著書のあるロースという人物と投資詐欺を行っていた。このときに、「電子マネー化すると法律外」という考えの下に円天のような事業を計画する。
しかし、「ライフ」は花田の事業案を採用しなかった。

その「ライフ」で、花田は「ライフ」の社長に「カード決済」の事業を提案する。
VISAやMASTER DCなどの取扱店の募集の権利を販売した。つまり、300万円で加盟したひとは、自分の勧誘した店が、店なら特定のカードリーダー、ネットショップなら特定のソフトを介することで、、カードの利用料のバックマージン1%を得ることができますというものだ。
花田は間島の会社をかませて、全国の「ライフ」の加盟店に対し「カード決済」の事業をはじめ、多くのひとを集客した。この「カード決済」というもので、事業の開始前に、一口あたり300万円集めていた。
しかし、のちに、カード会社からの苦情で座礁する。
全国から結構な数を集めたがその事業は開始されないうちに、「ライフ」は倒産した。
花田は返金していない加盟店から裁判を起こされた。花田は「カード決済」の訴訟で数億もの賠償費用を抱えることになる。

「ライフ」の時期に、花田は、のちのアルファのFXのソフトを作った男性と知り合っている。
その男性は集客できなかったが、「カード決済」の訴訟で数億もの賠償費用を抱えた花田をその気にさせることには成功する。
結果、花田は「カード決済」の賠償費用を練り出すために、長瀬の「電子マネー化」というものを合わせて、アルファの事業をスタートさせる4。
そこで、「ライフ」のダウン(マルチの傘下)を多く持っているトップクラスのメンバー「南」などを引き抜き、組織ごとアルファに移動させた。
アルファのソフトの販売はねずみ講という違法なものをマルチ商法にカモフラージュするための商品でしかなかった。つまり、アルファのソフトは今だ謎だが、自動売買ソフトでのFX運用は架空だった。自動売買ソフトという「商品」のないマルチ商法、つまり「ねずみ講」であり、ソフトもないから売買もできない、利殖詐欺だった。
長瀬は詐欺だと知りながら運用や、花田の海外への資金隠しを手伝っていた立場になる。

この数ヵ月後、この長瀬がダンボールを2個もってこの洞窟にやってくる。



ラジオ放送局のあるビル、遠藤)
その前に遠藤が暴れた話をした話をしておいたほうがいいかもしれない。
リョウさんが遠藤の会社を訪問していた頃は、遠藤は駅前に事務所を構えていた。その後、となりのビルの建築に合わせて立ち退きで多少カネをつかんだらしい。仙台駅のペデストリアンデッキの延長に有益な角のビルに入居していた。
その後、仙台のラジオ放送局のあるビルに移った。そこから見える「ホテル新宿」というラブホを見ながら、リョウさんに、ここをデリヘルの事務所にして、(あの「ホテル新宿」に派遣したら儲かるはずだ)と言っていた。
遠藤は若い時期に海外の石油施設の工事現場に仲間を引き連れて、その上前もはねつつ働き種金をつくった。その後、仙台の国分町に賭博の店をひらき、カネをつかんだ。そのカネでバブルの時期にビルなどを買い7億ほどの資産をもった。
しかし、そのあと、遠藤の言うには失敗や詐欺が続いたらしい。
おおきな躓き(つまづき)は賭博の店で使っていたコンピュータの基盤を自分でいじって壊してしまい、その後店がそのまま続けられなくなった。
つぎに、佐川急便の元の社長の訴訟費用を多額にたてかえ、それが回収できなかったこと。その後、遠隔操作のビデオ監視システムの開発者にカネを持っていかれたとかということだった。

リョウさんが駅前の事務所に行ったある日には、椅子にすわって「ちくしょー、ちくしょー」と言ってた。聞いてみると、融資詐欺で、ミズホ銀行のような立派な印刷の融資案内を信じて、その保証金とやらを、手書きの雑な口座番号を書いたFAXどおりに振り込んで数日経ったところだった。
見れば、振込先が三菱銀行で、「みずほなのに、なぜ三菱銀行に入金?」というくらいおそまつなうえに、めちゃくちゃに手書きのきたない文字の口座番号案内の個人口座に振り込むほうがおかしいような内容だった。さらに、仙台にその担当が東京から来たときには交通費も渡したと言っていた。その口座に保証金とやらを振り込んだあとに、電話で聞いてみてもいっこうに融資の結果がでない。「私は、がんばっているじゃないですか」と担当者は言うばかりで、どうやらだまされたと気づいたということだった。
そのあと、ある人物が例のパチンコの機械を卸していたという会社の人物ヤマちゃんだと後日わかるのだが、そのヤマちゃんの紹介で、ネットカジノの店をやろうとする。もともと賭博の店をやっていたし、「パチンコ店は違法じゃないのに、なぜおれは違法なんだ」と裁判所で言ってもだめだったという話があったことからすれば、どうやらそれでつかまったこともあったようだった。そんな「もう。どうせ自分は汚れているから」という意識があったようだったし、ネット上でタイとかのカジノ現場のものを日本でネット上でやるのは現行の法律では取り締まれないと言い出して、ヤマちゃんの紹介でネットカジノの店を2000万円かけてはじめるがそれも客がこなくて、あえなく半年もたたないうちにつぶれた。ネットカジノの店のオープンの直前に、リョウさんは遠藤とは疎遠になっていた。
ネットカジノのシステムは、外国のネットカジノのサイトがあり、そこに出店希望者はこちらへどうぞというような案内があった。そこにメールすると、案内が送られてくるのだが、2000人くらい待ちがありますというような内容の返信が戻ってくる。ところが、そこで発行された番号を控えて、お金を紹介者に300万円、それから掛け金の500万円分を250万円で購入すると、その順番を飛ばして開業できるというものだった。
しかし、機材はまた別で、カジノ用のパソコンを20台ばかり購入し、1台につき、いくらを紹介者ヤマちゃんに払うという、なんだか取られてばっかりのシステムだった。
おまけに、このネットカジノの内容は、リアルタイムとは言うものの、リョウさんという素人目から見ても画像は止まるし、掛ける側のデータを見て操作された動画が配信されていそうないんちきな内容のものだった。

郵政詐欺、遠藤)
リョウさんがひさしぶりに、遠藤の事務所を訪れたときには、ラジオ放送局のあるところに引っ越ししたあとだった。
このときは、のちにインターネットで注意がその少し後に呼びかけるのだが、遠藤が郵政詐欺にひっかかりはじめたところだった。「日本郵政保有の不動産物件を安く売却できる」と架空取引を持ちかけ、紹介料などを要求する手口の詐欺だったが、遠藤のところには北海道の元代議士横川議員の名刺などがあった。

遠藤が被害にあった郵政詐欺は、「郵政に力のある国会議員がいるので縁故入札できる。1物件あたり300万円のエントリー料が必要」という話だ。
遠藤のそれは1件について300万円を『活動資金』として出すというものだった。

日本郵政は「裏取引などありえない。不審な点があれば問い合わせしてほしい」と郵政のHPでも注意が呼びかけたが、遠藤が日本郵政の不動産の動きを調べるとなにか、それらしい動きのものもあるため、なおさらだまされてしまったようだ。これで、900万円とられている。つまりは、郵便局が民間になるときに郵便局の土地が、「不透明な事業者選定手続き」,「不当に安い譲渡価格」がその代議士の力によって行われる『活動資金』といったものだった。
一つの施設で300億円かけているのに、それら70施設をたばねたものを109億円でオリックスが落札(. 2009年02月)といううまい話もあれば、社長が竹中平蔵氏の実兄の会社が、郵政の旧社宅を複数、破格の安値で2006年12月から07年1月までで買収していることが出ている。
「うまい話にたよりたいのは貧乏人の夢なんですよね。しかたないけど、、、
うまい話は強固な人脈のあるところにくるのであって、貧乏人のところには来ないんだよなぁ」モトさんが言った。

「そんなうまい話」は貧乏人にはまわってこないのか。

その後「日本郵政の不動産を破格で払い下げさせることができる」ということで、購入資金をだましとるという報道があった。(2009/02/21)

初回、林太郎さんがその話を遠藤から聞かされたのは、遠藤の会社がラジオ局のビルに移ったときだ。「郵政に強い国会議員」とやらの名刺や大量にコピーされた郵政の所有する、あるいは、郵政の使用している土地のゼンリン地図がそこにあった。「これ、あやしいですよ」と林太郎さんは止めたが、「きみね、こういうときに出せる人間しか金は儲けられないんだよ」と、意見は変えることはなかった。


リョウさんが林太郎さんに遠藤を紹介したときには、もはや遠藤は行き詰っていた。
あとで考えれば。低頭だったが、真摯に働くという感じではなく、楽して儲けるという気持ちのままだった。口先だけだったのだ。

遠藤をはめたその詐欺師は、仙台の大年寺というところに住んでいた。この住宅の購入時期を考えると、遠藤の出した900万円もそれにあてられた可能性はある。遠藤は、ほとんど毎日そこに通い、大声で「○○!でてこーい」と叫んでいたため近所では有名になっていた。
※ 「旧日本郵政公社が所有する官舎の架空売却話を持ち掛け、入札参加料名目で2700万円を詐取したとして、警視庁捜査2課は16日、詐欺の疑いで、東京都新宿区新宿、会社役員、浅倉友利容疑者(61)ら3人を逮捕した」 (2009年9月6日同)

おさいふの底
間島社長の枯渇)
間島社長への企画事業は途中で頓挫していく。打ち合わせの時間を間島社長が作らなくなり、企画をあげてもいっこうに実行に至らない、「アルファ」本体のほうに上げてもらえる様にとはじめた「マイナスイオン」についてもまったく打ち合わせなしで、フェイドアウトという感じだった。
「マイナスイオン」はまだ料金は精算されていない。先行投資というもので、「アルファ」の採用とともに回収がはじまるというはずだった。ところが、実際は「マイナスイオン」の「採用」どころか、おそらくは間島社長から花田への「提案」もなく、回収が立つわけはなかった。まるまる林太郎さんやモトさんがそれをかぶるはめになり、3月の段階では洞窟株式会社は利益が立たないような状況になっていた。
さらに、間島社長の本体の傾きがはじまっていた。
間島社長は「問題ない。まったく問題ない」と続けるが、同じ言葉のくりかえしに、だんだん間島社長の言葉も本当だとは感じられなくなった。支払いの止まった企画事業は打ち切り状態になり、モトさんのアルファ本体への会計の打ち合わせももう持ち出しはできないから旅券を発行してくれたものだけ○○○に行くことになっていった。

遠藤の恐喝)
当然、遠藤にも仕事は回らない。もともと、なにもしないで、自宅のマンションの向かいのコーヒー店で毎日コーヒーを飲んでいるだけの遠藤だ。次の事業をやり、できればうまく事業化できるのならそれをあしがかりにしようと思って林太郎さんとモトさんが回していたものを、自分の会社の利益だけとってなにもしないで使ってしまっている遠藤とはからみたくなくなっていた。

打ち合わせの場所に遠藤が現れると、遠藤はノートを取り出して、「あんたたちは、オレをだましているんだろ」と言ったあとに、「あ、」と言ってから、「今月の仕事はないんですか?」と言った。(仕事?)遠藤は実際なにもしていない。
書類から打ち合わせから双方の担当者との些末な連絡まで24時間体制でやっているのは、モトさんと林太郎さんだ。ドトールでの会話にしては「だましている」どうのこうのはどうもバツが悪いが、モトさんは「遠藤さん、遠藤さんは実際この仕事にかかわっていないじゃないですか?」と苦情を述べた。
「そうですよ」林太郎さんは続けた。
」林太郎さん「遠藤さんはもともと間島社長のやりたいといったパチンコ店のことだって、きちんとしたひとを紹介さえしなかったじゃないですか」
遠藤「いや、ヤマちゃんはその手に詳しいんだって!」
林太郎さん「そうですか?なにひとつ書類1枚あがってこなかったじゃないですか」
モトさん「結局、僕たちがその仕事を1からやったんですよ。」モトさんが言葉を継いだ。
遠藤「あんたらは、結局そんな仕事なんかやってないんじゃないの?もっとくれたっていいでしょ」
モトさん「遠藤さん、遠藤さんはなんか誤解してますよ。」
林太郎さん「外注した仕事のお金はどうなるんですか?」
モトさん「遠藤さん、なにもしてないじゃないですか」実際、遠藤さんのところには500万円のお金が残っているはずだった、現実的には、遠藤はそれを使い果たしてしまっていた。
遠藤「売り上げの金額を下さいって言うんですよ」
モトさん「ですから、原価がかかるじゃないですか!?」
なんだか、呆けた老人と話しているようで疲れた。林太郎さんは、父方の祖母が銀行の残高の欄をずっと足し算をして、「自分の計算と比べて、お金が足りない」と言い張っていたことを思いだした。
林太郎さん「遠藤さんは、この仕事で得たお金で今後ずっとできる仕事を組み立てると言ってましたよね」
遠藤「いや、忘れた」
林太郎さん「わ、忘れたって…。利益の5%はストックして、間島社長に提案したパチンコ店事業や、遠藤さんがやりたいって言っていたデリの仕事をやるはずじゃなかったんですか?」
遠藤「いや、それは知らない」
林太郎さん「知らないって…」
遠藤「あんたらはおれをだましているんだろ。間島からもっとあんたらはもらってるんだろ」林太郎さん「もらってないですよ。現実、ボランティアで、ほんとに計算すれば持ち出しになっているはずですよ」
遠藤「ボランティア?それが信用できないっていうんですよ。人がボランティアで動くわけないでしょう!」遠藤はコーヒーをこぼし「あ、失礼」と言った。
モトさんがなだめるように言った。
モトさん「遠藤さん、遠藤さんは僕たちに感謝しているといっていたじゃないですか」
遠藤「それは、言うでしょ。『この野郎』って思ってたって、お金もらうとき『この野郎』って言わないで『ありがとう』っていうでしょ」
なんて、げすな男なんだと、林太郎さんは思った。

そのうち、遠藤が仕事をまわさないなら、今回の仕事先にいろいろ面倒なことになる、とかわけのわからないことを言い出し、いやがらせの電話をするようになった。
「石は持ち上げてうっかり落としてしまえば傷害にならない」「私は死ぬしかない」「わたしは、石油をかぶって死ぬ」「◎◎(郵政詐欺をしかけた相手)に石油をかけてやる。石油をかけるだけなら傷害にならない」などと脅し出した。
遠藤は林太郎さんの自宅やモトさんの会社に電話を頻繁にかけた。どれも、いないのをみはからって、なんどもしつこくかけた。それは、家人や会社の人間経由で圧力をかけさせることなのは目に見えていた。郵政詐欺にあったその加害者にも同じことをしていると言っていた。


遠藤は林太郎さんとモトさんがだましているにちがいないと思い込んでいた。いや、むしろ、そう思うことで、自分の行動を正当化しようとしているようだった。
遠藤「あんたたちは、間島からもらってるはずなんだ分け前が少ないって言ってんですよ」遠藤は金を使い果たしているようだった。
「必ず納めてくださいね」と念を押して渡した消費税も。「使ってしまったんだからしかたない」「カネがないんだからしかたないでしょう」と言うばかりだ。
(なぜ、こんな短期間にこんなに金が消えてしまうんだ?危ない所からも借りているのかもしれない )と感じた。
結局、仕事は別に、納める消費税の分だ、なんだと言われ。遠藤には80万円くらいを取られることになった。

遠藤の家の側)
遠藤は林太郎さんに自転車を投げつけた。そのあと、駐車場にたてかけてあったモップを手にすると、林太郎さんの顔付近を刺すようになんども突き出しながら、吼えていたが、傷害の前科があるためだろう、明らかに脅しの動きだった。林太郎さんは、マンションの非常階段から2階に上がり、駐車場を見下ろしながら、警察を携帯で呼んだ。「どうせ、すぐは来ないんだが」と思いつつ、警官が来れば遠藤も暴力をやめ話合いのテーブルにつくだろうと思ったのだ。
しかし、その日はあらため、また別な日に会うことになった。
だんだん、遠藤とは「話し合い」ができない状態になっていった。

遠藤の終結)
まるでロールプレイングゲームのように次から次とアトラクションがおきるようだった。
遠藤を宥(なだ)めるために、利益配分のことで林太郎さんとモトさんは仲間割れをしたというストーリーにした。もともと、この遠藤に流した事業は打ち合わせも林太郎さんがやっているような状況だったので、交通費さえも持ち出しになっていたが。そういうことが遠藤には信じられないのだった。「おまえらは、かげでもうけているはずだ」「もっとおれにくださいって言うんです」と言い出し、数字の計算がおかしい計算をはじめてくるのだが、説明をしようとすると「わからないっ」といって聞こうとしない。林太郎さんもモトさんも疲れてしまった。
そこで、遠藤の価値観にあわせて、ストーリーを組み立て、得意先にいやがらせをしないようにしたのだ。利益配分でもめて、林太郎さんはモトさんを疑心暗鬼し、間島社長からももらえる作業代が回収できないので精神的にまいっているというストーリーだった。
そこで、遠藤のまえで、仲たがいのケンかをしたりして、遠藤のもとにモトさんが残り、今回の話は決別して流れたという話にした。
その後も「カネを貸して欲しい」と遠藤はなんどもモトさんに電話をかけるなどした。そのたび、林太郎さんと折半で遠藤にお金を渡したが、それらは返ってはきていない。


洞窟の前の小学生)
夏場でも、洞窟の中のほうはすずしい。リンちゃんのスペースは、逆に暑いみたいだ。 午前6時くらいになるとリンちゃんは熱くて起きる。
蝉が鳴いている。 仙台も町のなかにいると、聴かなくなっている。 まれに、定禅寺通りで聴くけど、東二番町あたりになると、コンクリートが暑いばかりだ。

音がした。
見ると、ランドセルをしょった小学生が洞窟の前を棒をふりまわして歩いていた。
リンちゃんが「最近肩車されている子どもって見ないなぁ」と言った。

小学生だったのは、ほんの数日前の事のようだ。夏休み、小学校の横にある林の細道を、近道でもないのに抜け、プールに向かっていた。蝉は鳴いていたはずだし、光はフェードアウトでホワイトに消えるようにまぶしく、自分を照らしていた。ほんとうに、ほんのちょっと前のことなのだ。
人間の人生ってなんて短いんだろう。林太郎さんがそう思ったのは、東京の西郷さんの銅像の前にいる群集の古い絵葉書を手にしたとき、「ここで、今生きているひとはいるんだろうか?」と思った35歳のころだ。考えてみれば、自分が小学生だったときの父母の年齢を過ぎている。自分のことを考えると、「父」「母」と思っていた父母も、まだまだ煩悩多感な年代だったろうに。小学校の先生だって、すごいおじさんに見えていたけど、まだまだ若かったんだなと思った。
人間の人生ってなんてあっというまにすぎてしまうんだろうか?自分はなんもしてないんじゃないんだろうか?と焦った。
その夜、リンちゃんさんと話した。
林太郎さん「いまどきの小学生、活気なくない?。ぼくが、日光がんがんあびてプールに通って、駆け回っていた活気はないよ」
リンちゃん「うちの学校のプールの出席のはんこはクロンボでしたよ」
林太郎さん「差別で、いまだめでしょ」
リンちゃん「いまの子は、携帯のゲームでバーチャルに空を飛ぶんでしょ」
林太郎さん「なんつーか、おれたちは、どうも20(はたち)前の女のこの生足のひざにはどうも負けちまうよな」
リンちゃん「あ、魅力的とかそういうことですか?」
林太郎さん「そういう、エロじゃなくって、活気って言うかさ。。。」
リンちゃん「小学生の半ズボンから飛び出す足、みたいな」
林太郎さん「リンちゃんは走っているよね。っていうか、がんばってる。がんばってるよな…。」
リンちゃん「そういう意識無いけど」
林太郎さん「うん。でも、がんばりすぎるなよ。ホントに。今の高校生も変化しているよね。僕たちの時代には深夜放送ってのがあって、みんなそこで同じ内容を聞いてて、翌日眠い目でそれを話しあったりしてたからね」

林太郎さんにリンちゃんはレモンティーを差し出した。鍋の中で、ティーバックや砂糖や檸檬がそのまま入ってぐつぐつ言っている。

リョウさんが来た。リョウさんにもリンちゃんがレモンティーを差し出した。
リョウさん「林太郎さんや、あなたの夢ってなにや」
林太郎さんは、いったん口につけたレモンティのカップを両手で持ち直すと「え」と言ったまま、だまってしまった。

林太郎さん「夢、、、、、家族とか、まあ、自分の家族が安心して、、、将来的にも、安心して、たとえば、病気しても大丈夫とか、まごがきちんと教育受けられるとかね、そういう安心した生活をおくれるような基盤をつくること。。かな」
リョウさん「まご、いねべ。まだ」
林太郎さん「いやいや、子どももだけどさ。今ってだけじゃなくね」
リョウさん「んだか」
林太郎さん「今だけならいいさ。とりあえず健康だから。こんなに、ジャンクな中国の農薬にまみれてるかもしれない食事でも、とりあえずできて、動けるからな。でも、いっぱつここで、病気したらアウトだよ。」
リンちゃん「林太郎さんこそー、がんばりすぎるなよっ。ホントに」

とりあえず、食べるというのはできるのだと思う。たとえば、あるネットカフェでは昼と深夜にごはんが食べ放題だったりする。最低価格200円を出して、30分で食べるだけ食べてでることも可能だ。
ところが、米がおいしくない。確実に、あれは古米だなというくらいパサパサしている。仙台のファーストタワーにトンカツの平田牧場というお店があるが、ここは格別にごはんがおいしい。
雲泥の差を感じる。
腹を満たすだけならいいとしても、カルシウムや野菜はそうそうとれない。
教育、医療、健康な食、これがだれもに保障されていない日本は確実にまずしい国だ。





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